新・水戸市民会館計画を白紙にもどし 市民の声を反映させる会ニュース 第24号

2016年5月18日

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市民の声をなぜ聞かぬ!臨時市議会 住民投票条例案を否決

「市民の会」が声明 「今後も白紙撤回・見直し求め運動つづける」

巨大で巨額の新市民会館計画の賛否を問う住民投票条例案が5月16日の市議会臨時会で採決され、賛成5人、反対22人の賛成少数で否決されました。
満員となった傍聴席や別室でインターネット中継で見守っていた傍聴者から「市民の声を聞け」との怒りの声が上がりました。
「市民の会」は17日、声明を発表しました。

請求代表者6氏が意見陳述

臨時議会では条例案の請求代表者6氏全員が意見陳述をおこない(別項)、多様な視点・論拠から住民投票の必要性をのべました(合計60分)。

条例案に反対の立場から5人の議員が討論。
「中心市街地活性化の起爆剤になる」などとのべる一方、「特別委員会を18回やってきた」「矢はすでに放たれゴールに向かってる」「議論は完結している」などと“決着済み”の問題であるとして、あくまで現計画を見直さず推進する姿勢に終始しました。

5人の議員が賛成─「市民の政治参加の権利」

4人の議員が条例案に賛成の立場から討論に立ちました。
土田記代美議員は「住民投票は市民の政治参加の権利であり、議会が否決する理由はない」と
のべ、飯田正美議員は「14,691人の署名の思いを受けとめる必要がある。直接民主主義で市民の意思を確認することは大切」と賛成の意思を表明しました。
中庭次男議員は「水戸市はこれまで赤塚駅北口、大工町と再開発事業はことごとく失敗しておりその二の舞になりかねない」と指摘、田中真己議員は「市の貯金100億円は新市民会館につぎ込むのではなく、公共料金の引き下げ、保育所や老人ホームの増設、学校の改修、生活道路の整備などに使うべき」と強調し、「大事な問題は議会だけでなく、市民参加で決めていくべき」とのべ条例案の可決を主張しました。
採決の結果、賛成討論に立った4議員のほか、堀江恵子議員を加え5人の議員が賛成しました。

請求代表者の陳述要旨

田中重博(「市民の会」共同代表・茨城大学名誉教授)
市民は市長に「白紙委任」したわけではない

署名が1ヵ月の短期間に法定数の3.3倍以上の1万4691筆も集まったことは、市民の関心の強さ、広さを示すものであり、市長と議員は重く受け止めなければならない。
高橋市長は新市民会館建設は公約であるというが、立地場所や規模、事業費は選挙公報ではまったく触れていない。これで計画が市民に認められたとは到底いえない。市民は「巨大なハコモノ」による税金の浪費まで「白紙委任」したわけではない。
中心市街地に巨大な市民会館を建設してもイベントによる集客は一過性もので活性化にはつながらない。中心市街地の活性化は別に取り組むべき重要課題である。
市長の姿勢は地方自治と民主主義の原則から許されるものではない。
今回のような重大な案件は、住民投票で直接住民の意見を聞いていただきたい。市民の政治参加の重要な機会である。

丸山幸司(「市民の会」共同代表・弁護士)
市に重大な損害を及ぼしかねない

地方財政法4条は「地方公共団体の経費は、その目的を達成するための必要且つ最小の限度をこえて、これを支出してはならない」とある。予定されている大規模ホールを備えた市民会館はその予算規模から期待される恩恵を市民に与えることできるのか。「必要且つ最小限度」とは到底言えないのではないか。予定地付近での車の大渋滞、事業推進にともない市財政の悪化など予想され、市の重大な損害を及ぼしかねない事業である。これでは市民社会で背任罪に問われるような問題点を多々含んでいると見ざるを得ない。
いま議員に求められるのは、市民サイドから投げられたボールをしっかり受け止め、チェック機能を発揮することである。

佐藤 篤さん(ピアニスト)
芸術館のフル活用で市民の創造活動の場に

市長が5月11日の臨時議会で、新市民会館と芸術館の相乗効果を述べている。しかし人口30万人に満たない、新幹線も通っていないこと、観客動員数などを考えると、水戸芸術館を十分活用することから始めてはいかがか。水戸芸術館条例を改め、広く一般市民に開放し、運営を改善すれば市民の創作活動の場となり、芸術活動を促進することにもなる。まずそれでプラスの経済効果が確認してから、新市民会館計画について広く市民の意見を募り再検討すべきではないか。

菅野法子(「市民の会」共同代表・団体役員)
巨大な施設より身近な市民センターの充実を

子どもたちに過大な負担を負わせない、市民が使いやすい市民会館をつくってほしい。
東町の幼児用プールの存続を求めて若い子育て中のママたちが3,800人の署名を市長に提出したが、新体育館建設のために壊された。税金は「未来を担う子どもたち」のために使ってほしい。 今、どこの市民センターでも予約をとるのが大変。みなさん会場探しに苦労している。身近な市民センターの充実を求めたい。
巨大なプロジェクトのため、身近な日常生活での要望が実現できないのでないかと心配している。

大曽根紀雄(「市民の会」事務局次長・労働組合役員)
立地場所、規模などは市民の声聞いていない

立地場所や規模について市民の要望・意向調査をいっさいしないで市は方針を決めている。当初事業費68億円を4倍以上の巨大事業に変更するもので、市長独断で決めるべきものではない。大規模な会議や催しがどのぐらいあるのかの事前の需要調査もされていない。駐車場も300台では全く不足で、お客さんは右往左往し、交通渋滞もひどくなる。市長は「市民の会」と1回も話し合っていない。11日の臨時議会でも市長への質問に一切答弁していない。市民参加で計画を見直すべきである。

岩清水 理(「市民の会」事務局長・団体役員)
公聴会・公述人7人全員が計画の見直しの意見だった

水戸市の情報発信の著しい欠如と説明責任の放棄を強く感じる。市民に計画の実態を知らせないまま、税金の無駄遣いを強行しようとする市長の姿勢を示している。
「広報みと」を見ても市民会館計画の特集記事はない。昨年12月の公聴会では7人の公述人全員が計画の白紙・見直しの意見をのべたが、市はその内容を市民に知らせていない。大規模なアンケートもしていない。今年1月11日の市のシンポジウムは、市民の疑問や意見を全く受け付けないひどいものだった。住民投票は市民の意思表示の絶好の機会となる。水戸市政で史上初の住民投票を実施しようではないか。

請求代表者の陳述全文はこちらからご覧ください

議会後に記者会見 市民の政治参加の権利を奪うもの

議会終了後、記者会見した「市民の会」の田中重博代表は、「住民投票条例案が反対多数で否決されたことは非常に残念。15,000名近い市民とその背後にいる多くの市民の思いは市長や議会に届かなかった。市民が政治参加する機会を市当局と議会が奪ってしまったということであり、誠に遺憾で怒りを覚える」とのべました。
さらに「住民投票条例は地方自治法に定められた市民の正当な権利であり、議会で十分審議したから市民の意見は聞く必要はないと多くの議員は反対し否決にした。一体、多数の市民の声、市政に参加したいという声をどう考えているのか」と批判しました。

傍聴参加者と意見交流

記者会見後、傍聴参加者と意見交流。反対討論で署名に482の無効があったことあげて、「大した説明もなく集めた」など署名活動を批判した松本勝久議員にたいし「署名をやった人を侮辱するもの」「憤りをおぼえる」など怒りの発言が相次ぎました。
はじめて傍聴したという女性は「市民の権利が認められなかったことは残念」と感想を語り、「反対討論は計画推進で住民投票について語っていない」「業者は市の足元をみて価格をつり上げてくる」「住民投票は必要ないというのは市長の越権行為だ」「議会が市長の横暴をコントロールできないから市民が立ち上がった」「議会は市民に目を向けていない」「特別委員会を18 回やったというのは理由にはならない」などの意見が次々と出されました。

あるゆる機会とらえ声を反映

今後の運動について田中代表は「役員会を開き、みなさんの意見を踏まえて決めていきたい」、とくに「今後、都市計画審議会の審議が控えている。その前に都市計画案の提示があり、市民の縦覧・意見書提出も行われる。今後、ハードルはまだまだある。コンパクトで使いやすい市民が望む市民会館を求める市民の願いは、これからいろいろな機会をとらえて計画に反映させていきたい」とのべました。また「総事業費320億円の支出が今後より明らかになった段階で住民監査請求も検討し、厳しくチェックしていく」と語りました。

第9回拡大役員会をひらきます

5月23日(月)10:00~12:00
青少年会館2F中研修室
◎市民の会に参加している皆様はどなたでも参加できます

今後の主な展開(予想)

(1)都市計画案の作成→(2)案の縦覧・意見書の提出(2週間)→(3)意見書に対する水戸市の見解発表→(4)都市計画審議会(16名で構成)で審議、議決→(5)県との本協議→(6)都市計画決定(市長)・告示→事業計画の策定(1.施行の認可 2.組合設立認可 3.事業計画公告 4.事業計画認可など)→土地調書・物件調書の作成→権利変更計画→土地の明け渡し→工事着工へ

声明

「市民の会」は5月17日、市議会臨時会での住民投票条例案の採決結果をうけて、つぎの声明を発表しました。

2016年5月17日

新・水戸市民会館計画を白紙にもどし、市民の声を反映させる会
(略称「市民の会」)

水戸市議会は、「新・水戸市民会館計画及びこれに係る市費の支出の賛否を問う」住民投票条例の制定を求める議案について5月16日、請求代表者6人全員の意見陳述及び議員の討論(意見表明)を経て、賛成起立5名の少数で否決した。
住民投票という市民の意思を全市的に表明し、市民が政治参加できる、法律で認められた絶好の機会を認めなかった市議会に対して、「歴史的な失敗」と指摘せざるをえない。

住民投票を実施すれば新市民会館計画に賛成、反対、そして賛否の判断を今はできないという市民も、投票までの3ヵ月間に検討をすすめて、意思表示ができたはずであり、誠に遺憾な結果と言わざるえない。議案に反対討論をした議員は5名であり、その他起立しなかった議員は、議場で意見表明をおこなわなかったが、住民投票についての議員としての態度を表明すべきであった。

今回、とりわけ問題にしなければならないのは、「本条例については必要がない」と意見表明をした高橋靖市長の政治姿勢である。住民投票を実施すれば、計画反対の市民が過半数となることを恐れているとしか思えない。利権疑惑には一切答えようとせず、市民の意思表示と市政参加の機会を奪った市長は「民主主義を理解しない市長」として後世に語り継がれることであろう。

そのなかで「住民投票を実施しよう」と5名の議員が賛成したことは貴重であり、今後の住民運動に大きな力を与えるものとなった。

私たちは、14,691人の署名をした方々、そしてその背後にある多くの市民の声を生かすため、今後も計画の白紙撤回・見直しを求めるとともに、市民の望む市民会館をめざして運動をつづけることを表明する。

当面、今後出されるであろう都市計画案をきびしくチェックをして、縦覧期間(2週間)に意見を述べ、その後の都市計画審議会、そして都市計画決定に市民の声を反映させたいと考えている。

以上、昨日の水戸市議会の結果をうけて表明する。

ニュース第24号(PDF)